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| 城 昌幸『怪奇製造人』(国書刊行会) |
城 昌幸のミステリー集。 昭和26年、岩谷書店から発行され、平成5年、国書刊行会から復刊。表題作の「怪奇製造人」他「秘密結社脱走人に
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| 城 昌幸 |
詩人としての顔
明治37年6月10日(1904年)、東京神田駿河台東紅梅町(千代田区神田駿河台四丁目 Map→)で生まれる。父親は理学師で、母親は幕臣の家の出。
胸部疾患を理由に
戦後の昭和21年(42歳)、 詩誌「ゆうとぴあ(後に 「詩学」 と改題)」を創刊。その後「詩学」(Site→)は、平成29年に廃刊となるまでの61年間に、嵯峨信之らが編集長をつとめ、投稿欄から、茨城のり子、川崎 洋らがデビュー、黒田三郎、鮎川信夫、田村隆一、吉本隆明、谷川俊太郎、大岡 信らが活躍した。
詩誌の編集だけでなく、自身も、江戸文学やケルト幻想文学からの影響を受け、高踏的な詩を書き、第1詩集『近世無頼』(昭和5年。26歳)、『
ミステリーの作家・編集者としての顔
基本、詩だけでは食っていけないので、大正末よりミステリーを手がける。この頃よりミステリー・ブームとなり(江戸川乱歩が明智小五郎を小説に初登場させたのも大正14年)、その機運に城も思うところがあったのだろう。大正14年(21歳)、推理小説雑誌「新青年」に原稿を送付、熱烈に受け入れられる。その後、 『ジャマイカ氏の実験』、『人花』など次々に書く。物語は静かなトーンで、不思議な韻律をもつ、ごく短いもので、「ショート・ショートの先駆」と評される。探偵小説というより、幻想小説であろうか。 戦後は、詩と探偵小説の雑誌「宝石」の編集長(後に社長)となり、戦後のミステリー勃興期のリーダーとなる。
捕物帳作家としての顔
社会主義的・民主主義的な文化をまず弾圧した昭和初年からの文化・言論統制は、戦況の泥沼化に伴ってさらに苛烈となり、国策に寄与する要素のないミステリーの居場所もなくなっていく。ミステリー作家の多くが生活のため、当たり障りのない“正義”をぶら下げた時代小説や、国策にかなった軍事冒険小説などへと舵を切った。城も『若さま侍捕物手帖』などの時代小説を書き始め、戦後にもおよび、その数何百編にも及ぶという。
「妻あり子なし、安住して酒を愛」 す。
いつも和服で足袋は1日に4度取り替えたとか。横溝正史の小説に登場する金田一耕助が和服なのは、「城編集長をからかってやろうという私の気まぐれ」からだったと横溝が書いている(城の洋装を見たことがあるのは横溝だけでそれも1度きり)。
昭和51年11月27日(1976年。72歳)、胃ガンにより死去( )。
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| 城 昌幸『 |
城 昌幸『若さま侍 〜時代小説英雄列伝〜 (中公文庫)』 |
昭和6~7年(27~28歳)頃、臼田坂にあった「臼田甚五郎の家」(現在「ふじグレースマンション」(東京都大田区南馬込四丁目44-3 Map→) あたりにあった)の門前の家に住み、近所の山本周五郎、北園克衛、石田一郎、秋山青磁らと親交した。戦後、城が主宰した詩と探偵小説の雑誌「宝石」に北園が寄稿したのはこういった関係からか。
昭和31年(52歳)、『若さま侍捕物手帖』の印税で当地(マンション「セボン馬込」(東京都大田区中馬込四丁目14-4 Map→)あたり)に豪華な家を造る。ガラスは一切使わず、天井や襖には『若さま侍捕物手帖』の挿絵を描いた今村
●「月光詩人の彷徨」(長山靖生) ※ 『怪奇製造人』 (国書刊行会 平成5年発行)の解説 ●「モダニズム探求誌「ドノゴトンカ Donogo-o-Tonka」」(中野貴志)(nostos books→) ●『日本怪奇小説傑作集 2』(編:紀田順一郎、東 雅夫 東京創元社 平成17年発行)※「解説」(東 雅夫)P.485-489 ●「城 昌幸」(瀬沼茂樹)※「新潮日本文学小辞典」に収録 ●『馬込文士村ガイドブック(改訂版)』(編・発行:大田区立郷土博物館 平成8年発行)P.44 ●『馬込文芸の会 十年の歩み』 (発行者:大沢富三郎 平成6年発行) ●『大田文学地図』 (染谷孝哉 蒼海出版 昭和46年発行)P.90 ●『馬込文士村の作家たち』 (野村 裕 美和タイプ印刷 昭和58年発行)P.239-242 ●『山本周五郎(新潮日本文学アルバム)』(昭和61年初版発行 同年発行2刷参照)P.43 ●「城 昌幸記念文庫(馬込図書館)」(大田区立図書館→)
※当ページの最終修正年月日
2025.4.22