|
|||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
![]() |
|||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
![]() |
|||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|
||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
仮名垣魯文 |
河竹黙阿弥 |
猟奇的な事件なのに、色恋あり、人情あり、悲劇性もありで、当の主人公が「凄みのある美人」で、それがまた姉御肌とくれば、作家連が放ってはおきません。お伝をモデルにした文芸作品が続々と登場します。
処刑4ヶ月後の明治12年5月には
![]() |
時をへて、趣向を変えて、お伝の「貞節」「義侠」を強調した作品も生まれます。
邦枝完二が昭和9年(邦枝41歳)より「読売新聞」に連載した『お伝地獄』(Amazon→)では、病気の夫を救うために東京に出てくる「渋ッ皮の剥けた色ッぽい」お伝が、彼女の行動を邪魔するいやらしい男どもを小気味よくやっつけていきます。
![]() |
![]() |
| 邦枝の『お伝地獄』の挿絵を |
|
歴史上の人物で「悪女」と言われてきた人は、マリー・アントワネット、ボニー・バーカー、クサンティッペ(ソクラテスの妻)、北条政子、マタ・ハリ、楊貴妃、日野富子、サロメ、則天武后、西太后、クレオパトラ、阿部 定、鈴ヶ森で処刑された八百屋お七・白子屋お熊など、たくさんいますが、実際はどうだったでしょう。彼女らも勝手に尾ひれがつけられ、“料理”され、歪んだ形で世に伝わっているのではないでしょうか?
「男を魅了し、堕落させるような小悪魔的な女性」 (「日本国語大辞典(精選版)」 (小学館))といった意味での「悪女」なら、それこそ、そこら中にいるでしょうか。たいていの場合、「魅了されて、堕落する」男や、過度に嫉妬する男の方が悪いのでしょうが(「嫉妬」の文字の両方とも女編なのに、男の方が嫉妬深いとは、これいかに)、なぜが、そういった女性をまとめて「悪女」にするのが男社会(または男社会に組み込まれた女性)の通念のようです。
徳田秋声の弟子筋からさんざん悪く書かれた山田順子、尾﨑士郎の取り巻きから「おかしい」と言われた宇野千代、出奔した萩原朔太郎の妻(上田稲子。朔太郎から悪く書かれた)、北原白秋の元を飛び出した江口章子らは、みんな、その手の「悪女」(悪い女などではない)でしょう。
![]() |
![]() |
| 大橋義輝『毒婦伝説 ~高橋お伝とエリート軍医たち~』(共栄書房) | 『阿部定手記 (中公文庫) 』。編:前坂俊之 |
![]() |
![]() |
| 矢代静一 『毒婦の父 ~高橋お伝~』(河出書房新社) | 「悪女」。美貌と知略で上流社会へのし上がっていくベッキー。愛と争いの中から生まれる「悪意」とは? |
■ 馬込文学マラソン:
・ 尾﨑士郎の『空想部落』を読む→
・ 宇野千代の『色ざんげ』を読む→
・ 萩原朔太郎の『月に吠える』を読む→
・ 北原白秋の『桐の花』を読む→
■ 参考文献:
●『人間臨終図巻(下)(角川文庫)』(山田風太郎 平成26年初版発行 平成30年発行再版)P.68-70 ●『史料 維新の逸話 〜太政官時代〜』(横瀬夜雨 人物往来社 昭和43年発行)P.395-397 ●『明治百話(上)』(篠田鉱造 岩波書店 平成8年発行)P.13-17、P.34-35 ●『大田文学地図』(染谷孝哉 蒼海出版 昭和46年発行)P.90 ●『お伝地獄』(邦枝完二 北光書房 昭和21年発行)P.5-49 ●『私の古本大学』(松本克平 青英舍 昭和56年初版発行 昭和57年発行2刷)P.280-297 ●『昭和文学作家史(別冊 1億人の昭和史)』(毎日新聞社 昭和52年発行)P.17 ●「高橋お伝の弁護をしよう。」(ChinchikoPapa)(落合学(落合道人)→) ●「高橋お伝」(関井光男)※「朝日日本歴史人物事典 」(朝日新聞出版)に収録(コトバンク)→ ●「高橋お傳の裁判記録」「高橋お傳の真実」(高橋完治)(甦れ、高橋お伝→)
※当ページの最終修正年月日
2023.8.28