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丸木 昭和20年8月6日(1945年。 午前8時15分、米国(トルーマン大統領)が世界で初めて原爆を使用しました。世界初の核爆発実験、21日後のことです。 広島の実家に戻っていた原 民喜(39歳)も被曝。爆心地の近くでしたが、トイレにいたため一命を取りとめました。その後、原は、 原爆投下後の“地獄”を見ます。 ・・・
広島の原爆で、人口35万人(推定)のうちの半数以上の約20万人が死にました。 丸山定夫(44歳)率いる移動演劇「桜隊」のメンバー9人も全滅しました。 メンバーの 園井と一緒に逃げた 仲 みどり(36歳)はムシロだけを身にまとって上京、東大病院で世界で初めて原爆症と認定されました。白血球は健常者の1/20になり、肉腫が悪化、脱毛、高熱、胸痛の末、8月24日に死去。 昭和22年頃、西東三鬼(47歳)が、広島の俳句を連発。日本は戦争に負け、「〜は日本の生命線だ」「八紘一宇」「御国のため」(どれも、自国のためなら他国の従属・犠牲は厭わないという意味を含む)などと叫ぶ威勢のいいバカな連中が退場して、ようやく「反戦」「厭戦」の思いを表現できるようになったのです。 広島のわずか3日後の昭和20年8月9日、米国は長崎にも原子爆弾を投下しました。長崎は周りが山である程度熱線や爆風が遮られる地形でしたが、それでも約7万5千人の死者が出ます。 勝敗が決しているのに、米国はなぜ2発目を落としたのでしょう? 日独伊三国同盟の伊(イタリア)は昭和18年9月に降伏し、すでに連合国側についていました。3ヶ月ほど前、独(ドイツ)もヒットラーが自決し無条件降伏(5月7日)、連合国の相手は日本だけになっていました。 米軍の空襲が日々ありました。日本の軍部は、2月下旬、本土の住人も道ずれにする方針をかため、4月1日の米軍上陸で始まった沖縄戦では本土決戦の準備のための時間稼ぎの使命を沖縄に負わせましたが、6月23日に敗北、昭和天皇が「戦争終結」に言及するまでになりましたが、無条件降伏を要求する「ポツダム宣言」(7月26日)を日本は黙殺。ソ連の仲介
に望みを
原子爆弾は核分裂の巨大なエネルギーを利用するものです。2種あって、「ウラン型」は濃縮ウランどうしを高速でぶつけるもので、仕組みは単純。しかし、濃縮ウランの精製には膨大な手間と費用がかかり量産できません。一方、「プルトニウム型」は、プルトニウムは容易に生産できるものの、爆弾内部でプルトニウムを数十個の小さな爆発装置で取り囲み、それらを瞬間的にかつ均等に爆発させて圧縮(爆縮)する必要があり、それが難しかった。「トリニティ実験」ではそれに成功したのです。広島のが「ウラン型」で、長崎のが「プルトニウム型」でした。米国は苦労した「プルトニウム型」も使ってみたかったのでしょう。 ヤルタ会談(2月)では、日本を降伏させるにはソ連の力が必要と考え、米英が「日ソ不可侵条約」を破棄するようソ連に迫りました。ところが、米国は、硫黄島を制圧し(3月)、沖縄も制圧し(6月)、原爆の実験にも成功し(7月)、ソ連の力を借りないでも日本を降伏させる自信を深め、そうしようとしたのでしょう。ソ連もイニシアティブを発揮しようとし、両国が競う中(冷戦が始まっていた)、ソ連の満州への侵攻開始と、米国による長崎への原爆投下が同じ日(8月9日)になりました。 長崎での爆心・浦上地区は、キリスト教の聖域です。米国がそこに非人道的な兵器を使用したのです。広島のあとのダメ押しでもあり「戦争を終わらせるため」という大義にも欠けました。広島の原爆以上に米国人が目を向けたくないものなのでしょう。平成28年、オバマ大統領が現職大統領として初めて広島を訪れましたが、長崎へは足を向けませんでした。 世界には現在1万5千発もの核弾頭があります。テロ組織の利用も懸念されています。各国が今までの侵略行為を反省し、軍拡を自制し、他国から搾取するのをやめ、どの国とも対等に対話することが、テロを抑える唯一の方法です。被爆国であり、崇高な理念を謳う憲法を持つ日本は、その先頭に立つことができます。 ・・・原爆による無差別
軍需(防衛)産業から献金(賄賂)を受けている政党、米国の支配下にあることで利を得ている人たちが、敵国を想定し、「国を守る!」とか、憲法「改正」(実は「改悪」)を叫んでいますが、また戦争がやりたいのでしょう。戦争は一儲けする絶好の機会であり、権力維持にも好都合。自国のことしか考えない(実は自国のことすら考えない)悪どい政治家や産業人やマスコミに騙されないように。 日本は「核の傘」という言葉で米国の核兵器を正当化してきました。また、原子爆弾の原料となるプロトニウムを日本は大量に保有しており、内外で問題視されています。
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