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永井荷風、
昭和7年2月11日(1932年。 永井荷風(52歳)が、日記に次のように書いています。言論弾圧の強い時代にあっては、人々の本音は個人的な文章にしか表されていないと考えられます。そういった意味でも日記文学は貴重です。 ・・・同社は陸軍部内の有力者を星ヶ岡の 「同社」は「朝日新聞」のことで、「星ヶ岡の旗亭(酒を出す場所)」は芸術家・
「毎日新聞」も同じようなもので、満州事変の大宣伝をやり、下のようにささやかれました。 毎日新聞後援 関東軍主催「満州戦争」 両紙はそろって権力批判の筆を折り、のみならず、進んで戦争の旗ふり役まで買ってでるようになったのです。ほとんどの国民が政治的情報のほとんどをマスコミから得ている以上、国民が好戦的、または戦争に対して無批判になったとしたら、その責任の大半がマスコミにあるとさえ言えます。 製造・建設業界は戦争景気を願って知らず知らず好戦的になる傾向がありますが、マスコミも戦争は儲ける大きな機会なので油断なりません。戦争という名の“サーカス”が格好のネタになるからです。軍部からの圧力がなくても好戦的になる傾向を秘めています。 上のような新聞社の姿勢を批判した雑誌「改造」は、昭和17年に掲載した論文にいちゃもんがつき弾圧され、廃刊に追いやられます。 天皇という権威を利用して独裁を目論む人たちに反対し民主主義を主張すれば、「非国民」(今でいう「反日」)とレッテルを貼られて仲間外れにされ、そして、捕らえられ、殺されました。 かくて日本は15年戦争の道をまっしぐらです。 「国民を守る(君を守る)」「世界の安定のため(世界平和のため)」とかなんとか美辞麗句を並べても(子ども騙しの映画や漫画やゲームでもよく聞く言葉)、戦争は「人を殺すこと」。一方の国が「国を守る!」といっている時、もう一方の国も同じように「国を守る!」と言っています(滑稽)。
戦中「朝日新聞」にいたむのたけじ(横手中学(現・秋田県立横手高校 map→)で石坂洋次郎に国語と修身を学んだ)は、昭和天皇の「終戦の詔書」の放送があった昭和20年8月15日(むの30歳)、自らもジャーナリストとして戦争に加担したとして退社、横手市に帰郷して反戦の立場に立った週刊新聞「たいまつ」を発行するようになりました。今一度、むのさんの言葉に耳を傾けたいと思います。 どのように生きるかにあせる人は多い。なんのために生きるかになやむ人は少ない。生きる目的がはっきりしておれば、どのようにしてでも生きていけるのに。(「たいまつ」24番) 忘れたころにわざわいがやってくるのではない。忘れているからわざわいがやってくる。忘れることのおそろしさを忘れているあいだは、同じわざわいが繰り返される。(「たいまつ」45番) 「きみ、理想と現実はちがうよ」「きみ、抽象論をもち出すなよ」「きみ、現実を直視しなければ社会は改革できないよ」と若者をたしなめるおとなを、数えきれないほど見た。しかし、そのようなおとなたちが現実を直視して社会を改革したことや、抽象を越えた理想を提示したことは一度も見たことがない。(「たいまつ」54番) さびしいときにそのひとを思えば慰められる、そんな友はほしくない。怠けるときにそのひとを思えば鞭うたれる、そんな友がほしい。友のために、私もそういうものでありたい。(「たいまつ」100番) 嘲罵の石畳をも自分の歩幅で歩いていける者でないと、ほめられるとすぐ腐敗する。(「たいまつ」168番) 主人にペコペコする店員は、きまって客に横柄である。(「たいまつ」199番) 勇気のない学問は奴隷の技術である。(「たいまつ」283番) ジャーナリズムにおける「不偏不党」という看板は、ちぎれてしまった隠れみのである。(「たいまつ」370番) かんじんの部分を伝えない新聞記事は、伝えた部分がホントでも、ウソの記事である。(「たいまつ」388番) と、今のマスコミ人にも立ち止まって考えてもらいたい言葉が続き、そして、 酔ってからの握手は、すべて不潔である。(「たいまつ」537番) 現在「寿司友」とか呼ばれる人たちは、上の言葉をどう読むでしょうか? 「理想と現実は違うよ」と鼻で笑うでしょうか? 「朝日新聞」や「毎日新聞」が、現在、権力に対してもの言う姿勢を保持しえているとしたら、戦前戦中と軍部の代弁者となって、国民を戦争に駆り立て、その多くを死なせた(他国の人もたくさん殺した)ことを深く悔いているからなんだろうと思います(最近また「朝日新聞」があやしい?)。
■ 馬込文学マラソン: ■ 参考文献: ※当ページの最終修正年月日 |