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平成16年4月28日(2004年。
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エスカレーターで、アタッシュケースを1段上のステップに置いて、両手をヘソあたりで組んでいただけの植草氏が、なぜ、勾留されて、有罪になったのでしょう? 経済学者の植草氏は早稲田大学の院教授であり、テレビでも大活躍でした。鋭い舌鋒で政権を批判し影響力のあった植草氏の口を封じたい勢力の関与があったのでしょうか? 不可解な点がいくつもあります。 その1つ。植草氏が警察の職務質問を受けたのは品川駅近くですが、植草氏は横浜駅近くから追跡されていました。不審な行為があったからではなく、植草氏と知っての追跡だったのではないでしょうか? 2つ目。エスカレーターで警官は何を現認したというのでしょう? 調書に「(エスカレーターで前に立っている女子高生の)スカートの中を手鏡でのぞき見した」と書かれますが、身だしなみを整えるための手鏡は左ポケットの中にありました。 3つ目。連れて行かれた高輪署(品川駅近く)で、警官に、微罪なので認めれば罰金を払ってすぐ釈放されるが、否認したら長期勾留になってマスコミにも公表されると言われます。超多忙な植草氏はこの言葉に心が揺らぎ、虚偽の調書に同意してしまいます。そのおり、「警察官による現認は絶対ひっくり返らない。否認しても裁判であなたは100%負ける」とも言われています。こういった言行は、脅迫・誘導に当たらないのでしょうか? 調書は「のぞこうとした」が「のぞいた」に直され、長期勾留の可能性が出てきて、植草氏は真実を語って闘う覚悟をします。 4つ目。2日後の夜、植草氏はエスカレーターに設置されている防犯カメラの映像の検証を弁護士に依頼しました。ところが、10日も待たされた挙句、保存期間が過ぎていると伝えられます。警察に真相を究明しようという気があるなら、真っ先に、決定的な証拠となる可能性のある映像を保全しようとしたのではないでしょうか? これだけ、不可解な点があるのに、植草氏は有罪になりました(東京地裁・大熊一之裁判長)。 可能な限り証拠を積み上げたにも関わらず、それらは裁判で完全に無視されました。控訴しても、結果は同じになると予想され、また、さらなる「マスコミの暴力」も予想され、控訴を拒絶(断念ではなく)。 植草氏は、「命をかけて無実を訴える」といったスタンスで、法廷外で無実を立証する活動を始めます。●控訴拒絶直後、VIDEO NEWSに植草氏が出演→ ところが、判決の翌年(平成18年)にも、植草氏は別の事件に巻き込まれます。氏の「命をかけて無実を訴える」といったスタンスに、腹を立てた人がいたのでしょうか? この事件でも、植草氏は過酷な取り調べを受け、裁判になり、高裁でも争われますが最高裁が植草氏の上告を棄却、懲役4ヶ月の実刑が確定。 京浜急行線の品川駅(Map→)・蒲田駅(Map→)間で、酒に酔って半眠り状態でドアに向かって立っていた植草氏が2人(?)の男に取り押さえられました。その直前、自称女子高生の甲高い声が上がったのです。この事件にも不可解な点が多数あります。 植草氏は、何があったのかも分からず、また
蒲田駅事務室に着くと、前の事件で「警察では真実が真実として扱われない」ことを痛感した氏は、報道被害のことも頭をよぎり、絶望、ネクタイで自死を図りました(駅員が阻止)。 やはり文書が作文(捏造?)されます。植草氏は「痴漢をしたという認識はない」と訴えましたが、調書には「痴漢をやったことは覚えていない」と書かれ、また、「痴漢を認めたことは絶対ない」と言うと、「警察のでっちあげだと言っている」という話にすり替わってマスコミにリークされます。その後マスコミがどんなにヒドい報道をしたか・・・。被疑内容は「女子高生の臀部をスカートの上から、さらに下着の上から手指で撫でるなどした」というとうていあり得ないものでした。 ・・・取り調べ検事は「否認を続ければ裁判で私生活を攻撃して家族を徹底的に苦しめてやる」との発言を繰り返した。学校等での「いじめ」を意図的に誘発するとも受け取れる発言だ。私はこれを「脅迫」だと感じた。この発言が私を苦しめ続けた。・・・(中略)・・・私に「こんな所にいないですぐに仕事をして欲しいんだ」、「日本はいま大事な時期だから、こんなことに時間をかけてはだめだ。大事な仕事を早くして欲しいんですよ。」と繰り返し、犯罪を認めることを迫り続けた。・・・(植草一秀『知られざる真実 ~勾留地にて~』より) そして、立件されて裁判。検察側証人(科捜研の研究員)が植草氏の指にあった繊維が自称女子高生のスカートの繊維と「類似」していると証言、検察は懲役6ヶ月を求刑します。それに対し、植草氏側は、独自に大学教授に鑑定を依頼、その繊維が蒲田駅の駅員の制服の繊維と「極めて類似」しているとの結果を得ます。自死しようとする植草氏とそれを阻止しようとする駅員がもみ合った際付着したものでしょう。しかし、後者の鑑定結果は裁判で却下されました。 警察官や検事は無実の人を検挙・脅迫・立件することで心が痛まないのでしょうか? 裁判官は 検察に逆らわないのが処世術なのでしょうか? マスコミはスキャンダラスに報道し、売上や視聴率が上がればいいのでしょうか? 無実の罪を着せられた人の苦悩は計り知れません。どれだけ罰金を払わされたとか、どれだけ刑に服したとかいうのは瑣末なこと。有罪になったことで社会的に葬られたり、家族や知人から誤解されて関係が断絶したり、その後の人生がメチャメチャになる可能性大です。日本では、刑事裁判における有罪率が異常に高く99.9%だそうです。つまりは起訴されたらほぼ「お終い」。なんのための裁判でしょう? 植草氏の件に限らず警察官や検事の不適切な取り調べが時々ニュースになります。早急な取り調べの「完全可視化」が必要です。平成28年、被疑者の取り調べの録画を義務づける「改正刑事訴訟法」が成立しましたが、裁判員裁判対象事件・検察独自捜査事件に限られ、全事件の3%にも満たない極めて不完全なもののようです。この問題について、平成27年3月26日の参議院内閣委員会で、山本太郎参議院議員が、山谷えり子・内閣府特命担当大臣(防災)、政府参考人(三浦正充氏、上冨敏伸氏)に切り込みました(YouTube→ 書き起こし→)。
■ 参考文献: ※当ページの最終修正年月日 |