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UFO、現る(昭和35年5月23日、三島由紀夫夫妻、UFOを目撃する)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昭和27年、米国ニュージャージー州Map→で撮影されたUFO ※「パブリックドメインの写真(根拠→)」を使用 出典:ウィキペディア/空飛ぶ円盤(令和3年8月28日更新版)→

三島由紀夫

昭和35年5月23日(1960年。 朝5時25分頃、三島由紀夫(35歳)と瑤子夫人(23歳)が、当地の自宅(東京都大田区南馬込四丁目32-8 Map→)屋上で、本門寺(東京都大田区池上一丁目1-1 Map→)方面に浮ぶUFOらしきものを目撃しています。

・・・雲はどんどん西方へむかつて、非常な速さで延びてゆく。西方の池上本門寺の五重塔のあたりまでのびたとき、西北方の一点を指して、妻が、「アラ、変なものが」と言つた。見ると、西北の黒雲の帯の上に、一点白いものが現はれてゐた。それは薬のカプセルによく似た形で、左方が少し持ち上つてゐた。そして現はれるが早いか、同じ姿勢のまま西へ向つて動きだした。黒雲の背景の上だからよく見える。私は、円盤にも葉巻型といふのがあるのを知つてゐたから、それだな、と思つた。・・・(三島由紀夫『宇宙食「空飛ぶ円盤」』より ※「婦人倶楽部」に連載された「社会料理三島亭」より)

三島邸近くのほぼ同高度からの眺め。右手遠方の丘が佐伯栄養学校があった「佐伯山」で、その右方に本門寺の堂塔が見えた。分かりずらいが、左手の白壁の家が三島邸 三島邸近くのほぼ同高度からの眺め。右手遠方の丘が 佐伯 さいき 栄養学校があった「佐伯山」で、その右方に本門寺の堂塔が見えた。分かりずらいが、左手の白壁の家が三島

終戦後、なぜか、世界中で、UFO(未確認飛行物体。Unidentified Flying Object)が多く観測されるようになります。

昭和22年6月24日の「ケネス・アーノルドUFO遭遇事件」が、世界で最初の本格的目撃報告とされています。米国西部のアイダホ州で消化器製造販売会社を経営していたアーノルドが自家用機で飛んでいると、1日前に消息を絶った輸送機の遭難現場あたりを一回りしてもらいたいとの無線が地上の空軍基地から入ります。レーニア山に差し掛かった時です、音速の2倍ほどのスピードでジグザクに音もなく飛ぶ物体が出現。帰着後のアーノルドがその形態をコーヒーカップの受け皿を2枚中合わせしたようなと説明したことから、「フライング・ソーサー」と呼ばれ、それが日本では「空飛ぶ円盤」と訳されました。

その後もUFOがらみの事件が相次ぎ、翌昭和23年1月7日には、米国空軍きっての優秀なパイロットが、凄まじいスピードで移動する直径80〜90mの円盤型物体を追跡中、遭難するという「マンテル大尉事件」が起きました。

昭和27年11月20日に起きた「アダムスキー宇宙人遭遇事件」はさらに衝撃的です。アマチュア天文家・アダムスキーが、UFOがよく飛ぶと噂されていたカリフォルニアの砂漠を、文化人類学者のジョージ・H・ウィリアムスン博士夫妻ら6人と探索に行ったところ、7人は山陰から銀色の巨大な葉巻状物体が 舞い上がるのを目撃。さらには、アダムスキーは一行から1kmほど離れたところで、金星人と会見したというのです(金星人とはテレパシーで会話ができたという)。

昭和30年、アダムスキーの体験をつづった『空飛ぶ円盤実見記』の日本語訳が出版されると、日本でもUFOが大きな話題となり、同年、「日本空飛ぶ円盤研究会」(JFSA)が発足。軍隊でレーダー装備を担当していた荒井 欣一 きんいち を中心に、北村小松、徳川夢声(人気漫談家)、糸川英夫(航空工学・宇宙工学の専門家)、石黒敬七(柔道を海外に普及した人)が顧問になって、荒 正人、新田次郎、森田たま、石原慎太郎、星 新一、黛 敏郎らも参加、会員数が1,000名を越えることもあったとか。三島も会創設の翌年(昭和31年。31歳)には入会しています(会員番号12)。

北村も当地の池上線・洗足駅(東京都大田区東雪谷一丁目1-6 Map→)近くに住んでいたことからか、三島と親しくなり、三島邸で一緒にUFO観測をしたこともありました。上で紹介した昭和35年5月23日の三島夫妻のUFO観測も、北村から電話で情報提供があってなされました。

UFO目撃の2年後(昭和37年)から、 三島は『美しい星』という、円盤が出てくる彼には珍しいSFタッチの小説を「群像」に連載します。

埼玉県の飯能Map→にある大杉家の4人が、ある日突然、自分たちが宇宙人であることに目覚めるといったストーリーです。それぞれが、火星(父)、木星(母)、水星(兄)、金星(妹)といった異なる惑星が故郷と確信します。時は冷戦のまっただ中、米国の核兵器開発とその使用に対抗してソ連が50メガトンの核爆発の実験を行った頃です。大杉家の4人は、“宇宙人”の立場から核兵器の脅威にさらされている地球を救おうと立ち上がります。

一方、11.4光年のかなた「はくちょう座61番星」からやってきたと自覚する羽黒助教授を中心とするグループは、大杉家の人々とは違って、あいも変わらず戦争(人殺し)をし、地球を血で汚している人類などはさっさと滅んでしまった方が地球(“美しい星”)のためと考え、人類が自ら編み出した核爆弾で安楽死するよう導こうとするのでした。大杉家と羽黒一派は激しく論争し、小説はクライマックスを迎えます(評論家の奥野健男は「日本における画期的なディスカッション小説」と評価)。

それはそうと、三島の他に、どんな方がUFOを目撃しているでしょう?

著名人では、森田たま(随筆家)が鎌倉山で間近でUFOを見ています。内田 たつる さんもクリアーにUFOを目撃した一人です。横尾忠則さんの場合は、目撃どころか、宇宙人と交信したり、円盤を呼び出したりもできた(できる?)ようです。彼の日記には日常茶飯事のこととしてUFOや宇宙人が登場。中沢新一さんによると、横尾さんと一緒にいるとしばしば円盤が現れるとか。横尾さんには『私と直観と宇宙人 (文春文庫)』Amazon→という著書があります。

UFOの目撃報告の大半は、思い込みによる勘違いのようですが、否定しきれない事例も少数ながら存在するようです。銀河系の2,000億個の星に限っても地球に似た条件を備えた星が2億ほどあるので、地球の他にも、知的生命体(宇宙人)がいても不思議でありません。ホーキング博士は、宇宙人が存在するのは、論理的に推論してほぼ確実と言いました。宇宙人が存在し、地球に現れているとしたら、空間を瞬時に移動できるなど地球人にはおよびもつかない高度な技術を持つと考えられ、また、彼らが宇宙的植民地を欲しがっている可能性も否定できないので(地球人より高い倫理観を持つと信じたい)、地球人が極力、宇宙人と接触しないよう、博士は呼びかけていました。地球人が、宇宙の植民地化や軍事利用、観光利用、核廃棄物などの処分地としての利用など「地球人ファースト」の傲慢な行動に出たら、心優しい宇宙人であっても、何か考えるかもしれませんね・・・。

三島由紀夫『美しい星(新潮文庫)』。面白いし、怖いし、美しいし、三島文学入門に適した一冊 ●映画化作品(監督:吉田大八。出演:リリー・フランキー、亀梨和也、橋本 愛、中島朋子ほか)→ ※予告編→ ジョージ・アダムスキー『空飛ぶ円盤同乗記』(角川春樹事務所)。訳:大沼忠弘。撮影された写真など疑わしい点が多々あるにも関わらず、読み継がれ議論の対象となっている書
三島由紀夫『美しい星(新潮文庫)』。面白いし、怖いし、美しいし、三島文学入門に適した一冊 ●映画化作品(監督:吉田大八。出演:リリー・フランキー、亀梨和也、橋本 愛、中島朋子ほか)→ ※予告編→ ジョージ・アダムスキー『空飛ぶ円盤同乗記』(角川春樹事務所)。訳:大沼忠弘。撮影された写真など疑わしい点が多々あるにも関わらず、読み継がれ議論の対象となっている書
キース・トンプスン『UFO事件の半世紀―ロズウェル事件からMIBまで』(草思社)。訳:小林 等。大戦後半世紀に及ぶ数々のUFO事件を検証 C.G. ユング『空飛ぶ円盤(ちくま学芸文庫) 』 。訳:松代洋一 。分析心理学の祖ユングがUFOを語る。UFOは集合的無意識の投影なのか?
キース・トンプスン『UFO事件の半世紀 〜ロズウェル事件からMIBまで〜』(草思社)。訳:小林 等。大戦後半世紀に及ぶ数々のUFO事件を検証 C.G. ユング『空飛ぶ円盤(ちくま学芸文庫) 』 。訳:松代洋一 。分析心理学の祖ユングがUFOを語る。UFOは集合的無意識の投影なのか?

■ 馬込文学マラソン:
三島由紀夫の『豊饒の海』を読む→

■ 参考文献:
●『三島由紀夫外伝 』(岡山典弘 彩流社 平成14年発行)P.71-74 ●「宇宙食「空飛ぶ円盤」(社会料理三島亭)」(三島由紀夫UFOの里ブログ→ ●『いつもUFOのことを考えていた 〜UFOライブラリー・荒井欣一さん訪問記』(和田 登 文渓社 平成6年発行)P.6-13、P.38-54、P.58、P.87 ●「空飛ぶ円盤と人間通 ~北村小松氏のこと~(三島由紀夫UFOの里ブログ→ ●『三島由紀夫研究年表』(安藤 武 西田書店 昭和63年発行)P.206、P.212 ●「人や生物じっくり観察を(井筒智彦の宇宙人って、いるの!?)」※「東京新聞(夕刊)」令和4年5月7日掲載 ●「宇宙に星はいくつあるの」「キッズネット」(Gakken)→) ●「 これからの日本に本当に必要なもの(くくのち学舎キックオフイベント)」(平成21年7月5日 14:00-16:00 東京都新宿区四谷ひろば講堂)※内田 樹と中沢新一のトークセッション

※当ページの最終修正年月日
2023.5.23

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